2014年3月23日日曜日

約一ヶ月の間、修行してました

1年半くらい前にYouTubeにアップしたオリジナル・インスト曲の「wonderbox」。派手なフュージョンライクなバンドをやるかもしれないという話が当時あって、そのために作った曲なのですが。
これがその時にアップした音源。
当時はまだMacもG4で、音源はYAMAHAのMU1000。DAWもDigitalperformer3くらいのを使っていた。

 今は環境もかなり当時とは変わり、MacPro、音源はソフト音源を追加(east westの Goliath、FXpansionのBFD2、SpectrasonicsのTrilian他)、DPも8にバージョンアップした。更にマスタリングソフトsteinbeagのWaveLabも導入した。
 新しいソフトを入れても使いこなせなければ猫に小判、ということで...

 この曲を今の自分ならどう完成させられるのか?チャレンジ&修行をしていた、という訳で。

 まずはベース。
 ベース音源をリアルなTrilianで鳴らす。この曲はイントロはフレットレスベース、間奏にスラップのベースソロがあるので重要なポイントになる。元のMIDI打ち込みデータの音ひとつひとつを見直す。ベンド、ベロシティ、デュレーションすべて修正。さらにTrilian独自のアーティキュレーションも取り入れてスラップ時のX-Noteやグリッサンドなども再現。
 さらにバウンスしてオーディオデータにした後、ベンドやスライドなどをDP8のピッチ編集機能を使って修正。今までピッチをDAWでいじるのって邪道だと思ってたけど考えが古かったわぁ。オーディオにしてからも積極的にいじるべきだと思った。シンセのメロなどもピッチ編集で大胆にいじくってみた。
 シンセのメロもDP8のプラグインで音色を換えてみたり。

 ドラムも同様にBFD2で鳴らしながらMIDIを修正。こちらもベロシティを一音づつかえてやる。BFD2はミックス・マスタリングでドラムの音につまづきなんどもキットを換えたり、BFD2内のミキサーでコンプやリバーブ、EQを換えていきました。
 BFD2は本当に生のドラムの音がするんだが、こうやって使える音にしていくと結局最初からそういう音が鳴ればいいんじゃないの?って思う(笑)。ただ、キットの変更だけじゃなくてミキサーで音を変えていけるからこそ、もっと色んな音がだせる可能性がある。

 ミックスも何度も何度もやり直して...最初はそのままDP8でマスタリングまでやってしまえば楽だと思っていたのだが、8回マスタリングした中で7回目にやはりそれじゃうまくいかない!とついにWavelabを起動した(笑)。持ってるんだから使わなきゃね。使い方も覚えるし。
 マスタリングもうまくいかなければまたミックスに戻って。時にはまたドラムの音色を変えたりして。最後までドラムとは格闘しました。最後の最後でマスタリング後のドラムがいいドラムの音にならなくて。

 結局7回目のマスタリングもなんだか音は抜けないし、お手本音源の音圧と同じくらいまで調整すると、コンプがいかにもかかってます!っていう音になってしまい、またミックスに戻り、一度プラグインを全部外してやりなおし。

 EQは必要なところにだけ使う!大事なのはまずは音量バランス!2Mixは音圧上げない!コンプ、リミッターもミックス時はなるべく使わない!それでいてちゃんとすべての音がバランスよく聴こえるようにミックス!ミックス!

 ドラムもBFD2のミキサーを頭整理してから一つづつEQとコンプを見直したら、今までなんだったんだ?って感じでまとまってきた。

 マスタリングすると中音が上がるからそれを見越してミックスするとか聞いたんだが、あまり意識しすぎるとマスタリング後にメインのメロが小さくて、それをマスタリングで修正しようとしたらまたメチャクチャになってしまう。むしろ2Mixをマスタリング時にEQ使って高音と低音を処理したほうがいいんじゃないかという。その辺は経験がモノを言うところなんでしょうなぁ。EQあげたらいらん音まで上がり、下げたら欲しい音まで下がる。奥が深い。

Wavelab画面。
使ったプラグインは順に、ステレオ・エンハンサー、ヴィンテージ・コンプ、スタジオEQ、GEQ-10、マルチバンド・コンプレッサー、マキシマイザー、ピークマスター。左の画面上の左から右へ、の順でかけた。

 ステレオエンハンサーでステレオ感を足してあげて、ビンテージ・コンプで音圧アップとサチュレーション効果を狙い、スタジオEQで迫力ある低音とキビキビした高音を足し、小みった中低音と耳に痛いシンバルを少し下げてスッキリさせた。
 さらにすぐあとにグライコで削った中低音の補修して、マキシマイザーで全体的に元気を出して、中高音のスラップベースの耳に痛い音をマルテバンド・コンプで少しつぶして。
 最後にピーク・マスターでクリップしないように最大-0.1dbに設定し、インプットゲインでちょっと音圧あげて。目標の音圧にたどり着き、かつ、グシャグシャにならないバランス...に、したつもり...

 長時間、音を聴きつづけると耳も疲れてバカになってくるし、自分の脳みそも「これでいいのか?どうなの?」と、判断力もあいまいになってくる。

 答えの無い世界...危険だっ。



 かくして、こればかりキリなくやっていても多分いつまでたっても終わりがこないので一旦、今日で区切りをつけようと思ったのである。また今後もがんばるよ...

 今までまともにマスタリングまで意識して作業したことが無かったのでいい勉強になったと思う。毎日、仕事から帰ってコツコツとやってきたけど、他にやりたい事もあるからね。


 と、いうわけで、その一ヶ月の成果がコレ。
https://www.youtube.com/watch?v=9ALmU1gCbZ0

 どうですかね?



 

2014年3月16日日曜日

VOCALOID MEIKO V3 購入!

 ついに...今まで本当に興味が無かった分野なのだが...



 CRYPTONのMEIKO V3を購入した。

 オッサンなので結構恥ずかしい(笑)。


 なぜ今更VOCALOIDなのか?

 実はVOCALOIDがMACに対応したのはちょっと前のことで、しかもCubaseじゃなくちゃ作れないとか色々制約があった。CubaseとVocaloidエディターとサウンドライブラリ(つまり声。初音ミクとかのキャラクターごとに数社が販売している)のずべてを揃えなくてはならなかったのだ。だから出費の事も考えるとハードル高かった。だからどうしてもVOCALOIDを始めたいのならばそれを一気に購入するとか、いっそのこと環境をWindowsにしてしまうとかするのだろうが...さすがにそこまでの必要性を感じなかったし、そもそも本当に興味が無かった。一部の方々が必要とするもので自分には関係ないと思っていた。

 しかし去年あたりからVOCALOIDのMAC対応状況が大きく変わった。各関係メーカーのMAC対応の姿勢がようやく形になったと言うべきか。
 CRYPTONからは先行してKAITO、初音ミクのV3が発売され、MACに関してはCubaseでの作成はもちろんのこと、現在ではVSTだけではなくAU(AudioUnit)プラグインとしてLogicやガレバン、もちろんDPでもPiaproStudioというエディターで作成できるようになった。これは大きい。今まで使用してきたDAWでVOCALOIDが作れるということだから。
 V3は歌声ライブラリも数種類パッケージされていて、普通の状態、ささやき、暗め、英語などのライブラリ(製品によって違う)を使い分けることもできる。
 そして先ほどのPiaproStudioというエディターソフトと、それを使えるDAWも同梱されている。つまりV3パッケージを購入すればすぐにVOCALOIDの曲を(オケも含めて)作成することが可能なのだ。それでいて価格も高くない。なんというサービス精神。
 PiaproStudioがMACのAUプラグインとして対応したのはKAITO V3が発売された後らしく、いまだ頻繁にアップデートを繰り返しているが、それだけMAC環境のユーザーに対してケアをしていこうという意思も感じられる。

 さらに!なんとCubaseの機能限定バージョンのLE7も、期間限定でダウンロードできるという話を聞いて(実はこれも購入に踏み切ったひとつの理由。自分に関わる音楽関係の人でCubaseを使っている人が多くて、音をやりとりするのに便利になる可能性があるなと。)、これは今しかない。いや、今でしょ(笑)


 考えてみれば、自分がインストの曲ばかり作っているのは(フュージョンが好きというのもあるけど)ボーカリスト不足の為であって、歌ものを作るのが嫌いでもなんでもないのである。自分の都合とボーカリストの都合を合わせるのが大変で形にならない、というのもある。
 今までもボーカリストに提供するために作った曲もあるし、おそらくこれからも作曲、編曲、オケ作成、またはボーカルのいるバンドをやったりその為の曲を作ったりしていくので、プリプロを作るのに仮歌入れたり、編曲の際に歌のメロディーのみならず歌詞まで再現させてオケを調整したり、はたまた自分の作った歌ものの曲をVOCALOIDに歌わせて形にしてネットで公開することもできる。

 なんだ、メリットがすごく多いじゃないか。

 ということで、ネットで作っている人達のVOCALOID調整方法や、実際歌わせている曲を聴かせていただいたりして現実的に自分でもできるようになるんじゃないだろうかと判断した次第であります。

 一応動作確認はできたんで、また作品でもできあがったら公開したいなぁと...




 実は、もう結構以前の話なんですが、VOCALOIDってどんな感じなのだろうとふと思った時があって(その時はなるほどーとは思いつつやはり自分には関係ない世界かなと思ったが)色んなVOCALOID曲を検索しては聴いていたことがあって、

 その時に聴いた曲で、タイトルも覚えていないのだがしばらく経っても印象に残っていた曲があったんです。オケも良かったし歌メロも歌詞もレベルの高い曲、そして音だなぁと。単純にいい曲だなぁと、頭に残り続けたんですね。んで改めて探してみたんです。それが「ERORR」という曲。興味がある方は探してください。オリジナルとは別に色んな方が色んな歌声を使ってカヴァーしているので探せば山ほど見つかると思うので。

 この曲に限らず、素晴らしい曲、サウンドを生み出している方々が大勢いらっしゃるんだなぁと思いました。
 なんだか嬉しいですね。ひさしぶりに刺激をもらったなぁって感じです。